化学物質を小分けした容器のラベル表示
明示するのは2項目、方法はラベル・掲示など
1.明示するのは「名称」と「人体に及ぼす作用」の2つ
第33条の2で明示が求められるのは、ラベル表示の項目のうち名称と人体に及ぼす作用の2つです。この条文としては、元の容器のラベルにある注意喚起語や貯蔵・取扱い上の注意まで全部を書き写す決まりではありません(ほかの法令にもとづく表示の決まりは、別に確かめてください)。
ただし「人体に及ぼす作用」は、化学物質の有害性情報のことです。GHSの絵表示(ドクロや炎のマーク)だけでは足りません。小分け前の容器に書かれている有害性情報に相当する内容を書きます(厚生労働省Q&A Q14-3)。たとえば元のラベルに「吸入すると有害」「眠気又はめまいのおそれ」とあれば、その内容です。
2.方法はラベルに限らない(掲示・一覧表なども可)
明示のしかたは、容器へのラベル表示に限られません。貼れないときだけの代わりではなく、どれを選んでもかまいません。厚生労働省のQ&A(Q14-1)は、次のような方法を挙げています。
- ラベル表示
- 文書の交付
- 使用場所への掲示
- 必要事項を書いた一覧表の備え付け
- 電子媒体に記録し、労働者がいつでも確認できる機器(パソコンなど)を置く
- 作業手順書や作業指示書
Q&Aには、容器ごとに番号を付け、番号と物質名・人体に及ぼす作用を別に掲示する例も書かれています。小さな容器や、数が多くて貼りきれない現場では、この方法が現実的です。
3.第33条の2による明示の対象外になる場合
- 移し替えてすぐ、その場で使い切る場合。計量して別の容器に一時的に移すだけで保管しないときは、保管に当たらないので対象外です(Q14-2)。作業中に一時的に小分けした容器や、作業場所へ運ぶために移し替えた容器も、通達で対象外とされています。ただし、使い残しをあとで使うために保管する場合は、明示が必要です。
- 法定のラベルが付いた元の容器で保管する場合。労働安全衛生法第57条第1項にもとづく表示がされた容器のまま保管しているなら、第33条の2による追加の明示は要りません(第33条の2のかっこ書き)。
反対に、自社で作った対象の化学品を、法定の表示がない容器で保管する場合は明示が必要です(Q14-1)。同じ会社の別の工場へ移すときは、譲渡・提供には当たらないのでラベル表示・SDS交付の義務はありませんが、SDSの周知と、別の容器で保管する際の明示は必要です(Q9-4)。
4.対象になる化学品
第33条の2の対象は、労働安全衛生法施行令第17条の製造許可物質と、第18条各号のラベル表示対象物です。混合物は、物質ごとに決められた含有量などの条件に当てはまるものが対象です。対象物質は国が段階的に追加しています。元の容器のラベルやSDSは確かめる手がかりになりますが、ラベルやSDSが無いことだけで対象外とは判断できません。リストの更新日は「4本のリスト」と更新日にまとめました。
5.小分け容器ラベルのひな形(無料)
A4に8枚取りのラベルです。「名称」「人体に及ぼす作用」の2項目に、あとで確かめるための社内の欄(小分けした日・小分けした人・元の容器とSDSの場所)を足しています。印刷して手書きで使えます。登録やメールアドレスの入力は要りません。
小分け容器ラベル(Excel・A4・8枚取り)をダウンロード
水や油で字が消える場所では、印刷後に透明テープで覆うか、耐水の用紙をお使いください。化学物質の台帳にはSDS管理台帳のExcelひな形もあります。
6.現場で決めておくと楽になること
- 小分けに使う容器の種類を決め、容器ごとに番号を振る
- 番号と「名称・人体に及ぼす作用」の一覧を、使う場所に1枚貼る
- 使い残しを戻す・捨てるルールを決める(あとで使うために残すなら、保管として明示が要るため)
- 仕入れ先からSDSの改訂が届いたら、ラベルと一覧も書き換える
出典:厚生労働省「化学物質対策に関するQ&A(ラベル・SDS関係)」Q9-4・Q14-1・Q14-2・Q14-3(https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_11237.html、2026年10月29日に当社が確認)、労働安全衛生規則第33条の2(e-Gov法令検索)。
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※小分け容器の表示とリスクアセスメントの実施義務は事業者にあり、化学物質管理者はその管理などを担います。本アプリはその作業を支援する道具であり、代行や監査合格の保証をするものではありません。営業のお電話はいたしません。
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本ページは厚生労働省の公表資料に基づく一般的な整理です。法令・対象物質・適用日は改正により変わるため、最新は厚生労働省の一次情報をご確認ください。