社内技能検定と、作業者ごとの習熟度の記録
30人規模の製造業で回る仕組みの作り方
国家の技能検定と、社内技能検定の違い
国家の技能検定は、職種ごとに共通の技能を国の基準で測る制度で、合格すると技能士を名乗れます。自社の段取り替えのコツや、製品ごとの勘どころまでは測れません。
社内技能検定は、自社の作業ごとに等級を決め、実技で確かめる仕組みです。法令上の義務ではないので、形は自由です。だからこそ、判定の根拠を残しておかないと、等級がただの肩書きになります。
習熟度の記録に残す項目
作業者と作業の一覧に○を付けるだけでは、後で「誰が、いつ、何を見て○を付けたか」に答えられません。次の項目をそろえておくと、記録として使えます。
| 項目 | 例 |
|---|---|
| 作業者 | 氏名、所属 |
| 作業 | どの作業手順書の作業か |
| 等級 | 初級・中級・上級など |
| 判定日と評価者 | 実技を見た人の氏名 |
| 実技の結果 | 項目ごとの○×、安全に関わる項目の結果 |
| 法定の教育・資格 | その作業に必要な特別教育の修了、技能講習の修了、免許 |
| 署名 | 評価者と本人 |
学科だけで合格にしない
筆記テストは、知っているかどうかを確かめます。できるかどうかは、作業を見ないと分かりません。社内技能検定では、評価者が実際の作業を見て採点する実技を必ず通すことをおすすめします。
安全に関わる項目は別扱いにします。保護具を着けない、停止確認をしない、といった項目が1つでも×なら、他が満点でも不合格にします。
法定資格は「門」、社内等級は「進み具合」
法令で教育や資格が決まっている作業があります。研削といしの取替えは特別教育が必要です。フォークリフトの運転と玉掛けは、最大荷重やつり上げ荷重が1トン未満なら特別教育、1トン以上なら技能講習の修了などが必要です。必要な特別教育や技能講習を終えていない人、免許を持っていない人は、社内の等級が上級でもその作業に就かせられません。
記録の上でも、法定の教育・資格と社内の等級は分けて持ち、条件を満たさない人は等級にかかわらず作業に割り当てない形にしておくと、無資格作業を防げます。
やり方の比べ方
| 方法 | 向いている場合 | 気をつける点 |
|---|---|---|
| Excelのスキルマップ | 作業が少なく、○△×が分かれば足りる | 評価の根拠と日付が残りにくい。手順書や資格と別管理になる |
| クラウドのスキル管理(月額) | 複数拠点で人事データとまとめたい | 月額が続く。手順書の写真や名簿を社外に置くことになる |
| 技能伝承アプリ(当社・買い切り) | 手順書と検定と記録を1か所で回したい中小の工場 | 1事業場ごとのライセンス。人事評価や給与とは連動しない |
技能伝承アプリでできること
写真つきの作業手順書、社内技能検定(初級・中級・上級)、教育記録、力量評価表を1つのアプリにまとめた買い切りソフトです。インターネット接続は要りません。
- 評価者が実技を見て採点し、安全に関わる重大項目が1つでも×なら不合格になります。評価者と本人の署名を記録します
- 特別教育、技能講習、免許が必要な作業は、それが登録されていない人を等級にかかわらず×で表示します
- 誰が、いつ、どの手順書で教育を受け、どの等級に合格したかを一覧にし、「力量」「教育記録」「作業手順」の資料として出力できます
- 教えられる人の人数と定年までの年数から、その作業をあと何年教えられるかを計算します
- 買い切り79,800円(税込・1事業場)、Windows版とMac版(Appleシリコン専用)を同梱しています
よくある質問
従業員30人ほどの製造業でも、社内技能検定は必要ですか?
法令上の義務ではありません。ただ、ベテランが辞める前に技能を引き継ぎたい、ISOの審査で力量の証拠を求められている、といった事情があるなら、規模に関係なく役に立ちます。30人規模なら、まず人に頼っている作業を3〜5件選び、その作業だけで始めるのが現実的です。
Excelのスキルマップでは足りませんか?
作業者と作業の一覧に○△×を付けるだけなら、Excelで十分です。困るのは、その○を誰がいつ何を見て付けたかが残らないこと、手順書や法定資格と結びついていないことです。評価の日付、評価者、実技の結果まで残すなら、表が増えるにつれて管理が重くなります。
社内技能検定の評価は誰がすればよいですか?
その作業の上級に合格している人か、職長など作業を実際に見て判断できる人が適任です。学科の点数だけで合格にせず、評価者が実際の作業を見て採点し、評価者と本人の両方が署名して残す形にすると、後で判定の根拠を説明できます。
特別教育や技能講習と、社内技能検定はどう関係しますか?
法令で決まった特別教育の修了、技能講習の修了、免許は、それがない人にその作業をさせてはいけない条件です。社内技能検定は、その作業をどこまでできるかの進み具合を測るものです。社内で上級に合格していても、必要な特別教育や技能講習、免許がなければ作業に就かせることはできません。
ISO 9001の審査で、力量の記録として使えますか?
ISO 9001の7.2(力量)では、必要な力量を決め、教育・訓練・経験によって力量を確保し、必要な場合は力量を身につけるための措置をとってその有効性を評価し、力量の証拠を文書化した情報として残すことが求められます。作業者ごとの等級、評価日、評価者、教育記録はその証拠の一部になります。ただし、どの記録で足りるかは審査機関と自社の規定によって決まります。
まずは無料の体験版で
登録もメールアドレスも不要です。作業手順書3件まで、社内技能検定と記録の機能をそのまま試せます。体験版のデータは製品版に引き継げます。
※本アプリは事業者が行う作業手順書の作成・教育・技能評価を支援する道具です。法定資格の要否や教育の内容は事業者がご判断ください。監査への合格や法令遵守を保証するものではありません。営業のお電話はいたしません。
関連ページ
本ページは2026年10月19日時点の当社製品の仕様と、一般的な整理に基づきます。ISO 9001の記述は規格の要求事項の要旨です。価格は2026年10月19日時点です。当社は適格請求書発行事業者の登録をしていません。