2026年10月19日 公開 / RandyLab(新潟県糸魚川市)

雇入れ時の安全衛生教育を社内で行う方法
8項目の中身と、記録の残し方

新人が入ったとき、事業者には安全衛生教育を行う義務があります。外部の講座に出す方法もありますが、毎年数名を採用する中小の製造業なら、社内で行って記録を残すほうが費用も手間も小さく済みます。法令で決まっていることと決まっていないことを分けて、進め方をまとめました。

法令で決まっていること

根拠は労働安全衛生規則35条です。事業者は、労働者を雇い入れたとき、または作業内容を変更したときに、その労働者が就く業務に関する安全衛生の教育を「遅滞なく」行わなければなりません。

号教育する事項(条文の要旨)
1機械等、原材料等の危険性・有害性と、その取扱い方法
2安全装置、有害物抑制装置、保護具の性能と取扱い方法
3作業手順
4作業開始時の点検
5その業務で起こるおそれのある疾病の原因と予防
6整理、整頓、清潔の保持
7事故時等の応急措置と退避
8そのほか、その業務の安全衛生に必要な事項

2024年4月1日からは、業種によって1号から4号を省略できた規定がなくなり、全業種で8項目が教育事項になりました。実際に教えるのは、その人が就く業務に必要な事項です。対象者は雇用形態や国籍を問いません。パート、アルバイト、外国人の従業員も含まれます。

省略が認められるのは、十分な知識と技能があると認められる事項だけです(同条2項)。

法令で決まっていないこと

ここを知っておくと、社内での実施がぐっと楽になります。

決まりがないからといって、記録を残さなくてよいわけではありません。教育の中身を後から客観的に説明するには、記録がいちばん確かです。労働災害が起きたときには、教育をしていたかどうかを確かめられます。

社内で行う手順

  1. 入社日までに、教育の担当者と日程を決めます。条文は「遅滞なく」なので、雇い入れた後、その業務に就かせる前に行うのが基本です。
  2. 共通の事項(保護具、整理整頓、危険予知、応急措置と退避など)を教材で教えます。
  3. 自社の機械と原材料、作業手順、始業点検は、現場で担当者が実物を見せながら教えます。汎用の教材では、ここを代わりにできません。
  4. 確認テストや口頭の質問で、理解できたかを確かめます。
  5. 記録を残します。

記録には、少なくとも次の項目を入れておくと、後で聞かれたときに困りません。

方法ごとの費用

2026年9月時点で各社の公式サイトに出ている価格です(当社調べ)。

方法費用の目安向いている会社
外部のeラーニング講座1人あたり4,950〜5,500円(受講のたび)外国語対応が要る/採用が少ない
オンライン講習(Zoom)1人あたり9,800円年に数人だけ
教育DVD+紙の記録票52,800〜66,000円(DVD)PC操作を減らしたい
新人教育スタンダード(当社)29,800円(税込)買い切り・人数無制限毎年数名〜十数名を採用する中小製造業

1人ごとに費用がかかる講座は、受講者が6人を超えると当社の買い切り版のほうが安くなります。採用が年に1人か2人なら、外部講座のほうが合うこともあります。

新人教育スタンダードでできること

法定8項目に対応した教材52枚と確認テスト25問、受講記録をHTMLファイル1つにまとめたアプリです。インターネット接続もインストールも要りません。

よくある質問

雇入れ時の安全衛生教育は何時間行えばよいですか?

労働安全衛生規則35条には、雇入れ時の教育の時間の定めはありません。時間が決まっているのは特別教育(労働安全衛生法59条3項)のほうです。雇入れ時の教育は、その労働者が就く業務に必要な事項を、理解できるまで教えることが求められます。

雇入れ時の安全衛生教育の記録は、何年保存する必要がありますか?

雇入れ時の教育について、記録の作成や保存期間を定めた条文はありません。記録の3年間保存が義務になっているのは特別教育です(労働安全衛生規則38条)。ただし、教育の中身を後から説明するには記録がいちばん確かなので、実務では特別教育と同じく3年は残しておくと扱いがそろいます。

パート、アルバイト、外国人の従業員にも雇入れ時の教育は必要ですか?

必要です。労働安全衛生規則35条は「労働者を雇い入れたとき」と定めており、雇用形態や国籍で対象を分けていません。短時間のパートやアルバイト、技能実習生や特定技能の外国人も対象です。

経験者を中途採用した場合も、8項目すべてを教育しなければなりませんか?

労働安全衛生規則35条2項により、十分な知識と技能があると認められる事項は教育を省略できます。ただし、何を根拠に省略したか(前職の経験、資格など)を記録に残しておくことをおすすめします。機械や原材料、作業手順のように事業場ごとに違う事項は、経験者でも教える必要があります。

市販の教材やDVDだけで、8項目の教育を済ませられますか?

保護具の使い方、整理整頓、事故時の応急措置のような共通の事項は教材で教えられます。一方で、自社の機械や原材料の危険性、作業手順、作業開始時の点検は事業場ごとに違うため、汎用の教材だけでは足りません。現場で担当者が補い、その内容も記録に書き足してください。

2024年4月に何が変わったのですか?

改正前は、製造業や建設業などの一部の業種を除き、8項目のうち1号から4号(機械等の危険性、保護具、作業手順、作業開始時の点検)の教育を省略できました。2024年4月1日の改正でこの省略の規定がなくなり、すべての業種で8項目が教育事項になりました。実際には、その労働者が就く業務に必要な事項を教育します。

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※本アプリは事業者が行う安全衛生教育を支援する道具です。教育の実施と内容の判断は事業者にあり、法令遵守を保証するものではありません。営業のお電話はいたしません。

関連ページ

法令の記述は、2026年10月19日にe-Gov法令検索(労働安全衛生規則35条・38条)と厚生労働省・都道府県労働局の公表資料で確かめたものです。法令は改正されることがあるため、最新は一次情報をご確認ください。価格は2026年10月19日時点です。当社は適格請求書発行事業者の登録をしていません。